イラン

今週は、29日まで浜松の遠鉄百貨店に来ています。
このワールド雑貨バザールで出会ったイラン人と昨夜は飲みに行きました。

私はアンティークディーラーにも書いたように、15年くらい前までは、イランにも仕入れに行っていました。

その頃は、イランは物価が日本の10分の1以下で、国内線飛行機も確か3000円くらいで乗ることができた記憶があります。

私も一泊200円くらいの宿に泊まっていました。

親日で街を歩いているとよく日本語で話しかけられたことを思い出します。


その頃付き合いがあった絨毯屋は、20倍もかけて日本でペルシャ絨毯を販売し、イランに宮殿のような家を構えていました。


そうしたイメージがあったのですが、今のイランは全く異なることを耳にし、驚きました。

特にテヘランでは、土地の値段が高騰し、インフレが激しいそうです。

普通の2LDKのマンションで今では賃貸料が一月.5.6万円するそうです。

日本人が聴いてもピンと来ないかもしれませんが、昔を知る私や現地の人からすると大変なことです。

そのため、高騰している家賃を払うため、イスラム教の戒律の厳しいイランにおいても、今では共働きが増えているとのことでした。

今でも田舎では平均賃金が1、2万円ということがザラのようなので、テヘランの異常な高騰具合が解ります。

それは、古都イスファハンなどでも同様とのことでした。

イランは中東でも有数の産油国ですが、石油精製施設が少ないため、原油を輸出しながらも、ガソリンを輸入しています。

そのため、ガソリンの高騰が物価の高騰を招いている一因でもあるとのことでした。

イスラエルによる国際政治の矛盾がこうしたところにも感じますね。


尚、最近では、そうした高騰は絨毯にもおよび、仕入れ値が上がったそうです。その上、日本のバブルの頃のようなとんでもない値付けもなくなりました。そのため、利益も随分と減ったそうです。

だから、今では宮殿どころではなく、普通の家を買うのも大変だと話していました。


さて、もう一つ聞いた興味深い話があります。

日本を始め多くの国では、経済的に貧しくとも努力し、勉学に励もうとする人が多いですね。

けれど、イランを始めイスラム諸国では、富める者が貧しき者に施しをすることは、コーランに記された当然の行ないです。

そのため、貧しき者も富める者から施しを受けることにやましさや恥ずかしいという概念は一切ないとのことでした。

そうした社会では働かずともそうして生まれてきた者は、食べていけてしまうとのことでした。

それは、社会の階層の固定化を招きます。

インドのカースト制度にも似た構造でしょう。

例えば、イランで車の修理などを商う人達は元々祖先が、馬飼や馬車を扱う人達でした。

時代とともに馬車や馬が自動車に変わり、そのまま、そうした人々が自動車を扱うようになりました。

ここで、最近一つ問題が起こりました。

イランは日本などから多くの中古車を輸入していました。

以前は車が壊れると修理工場で職人が工具を使い直していました。

けれど最近は自動車のエンジンを始めほとんどが電子制御に変化してきています。

そのため、電子制御用のコンピュータがないと直せなくなってきています。

では、その機械を導入すれば良いと思われます。

けれど元々馬飼であった階級の人達は、自動車の構造は理解していても、文字や外国語を学んでいないのです。

ですから、英語や日本語のシステムを理解不能なのだそうです。

だから最近の自動車を修理できないとのことでした。

固定化した階級システムの弊害だよと言っていました。

馬飼が、自動車を扱う。上手く移行したものだと感心しましたが。


変わりゆくイラン。

他にもいろいろと伝え聞く楽しい夜でした。

日本から直行便が無くなり、もう3年程になりますが、また、イランと日本の関係が深まる日が早く来てもらいたいと思います。


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1 Comment

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    さとみと言います(。^ε ^。)いろいろ参考にさせてもらいますね♪私は日々の日常とかたまに役に立つ事も書いていくのでよかったら遊びに来てくださいね★
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進路考え中@さとみん へ返信する コメントをキャンセル

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