マイヨール美術館からキングスクロスのピアノ、日本へ

藤田を堪能し、時計をみるお、午後3時。

ユーロスターまでまだ時間もあるので、お昼を取りましょう。

 

美術館内のレストランの標識を辿ると、地下へと誘導されました。

 

階段を下りていくと、そこには洞窟のような空間が広がっています。

 

ドーム状になった天井は古い作りに見えます。

 

かつてはワインなどが貯蔵されていたのでしょうか。

 

パリとロンドンの違いでまず浮かぶのは、パリのレストランは9割が美味しく、ロンドンのレストランはその逆。

 

今回のパリの滞在では、まだまともな食事はしていません。

折角なのでここ遅めのランチをいただきましょう。

 

ホールの女性が日本語で挨拶してきてくれました。

 

子牛のステーキとロゼワインを注文。

 

ワインを持ってきてくれた時にも

「どうぞ」

と日本語で。

 

片言の日本語ですが、こうして海外で母国語を少し使ってもらうだけで

嬉しいですね。

 

さて、この時期はやはりきりりと冷えたロゼが美味しいです。

ミネラル感と酸味のバランスが良いロゼ。

ラングドックの物でしょうか。

美味しいです。

 

さらに出てきた子牛のステーキの形を見て目が大きく見開きました。

 

私もお肉を料理するのは好きですが、これはなかなか自分では作るのは難しそうです。

こうした肉の形も大きなブロックから切り分けなければなりません。

 

普段食べることができない美味しい物に出会えると、気分も上がります。

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ボルドーの赤もいただき、満足な昼食となりました。

 

美術館の外に出ると、先ほどまではなかった列が美術家の外まで続いています。

 

その行列に、時が経った今でも、藤田がパリの人々に愛されていることを感じました。

 

 

それでは、ユーロスターでロンドンに帰りましょう。

 

きれいな青空が広がっています。

 

帰り道、北駅で改札から出る時、切符を入れるとドアが開きません。

 

うん?どうやら古いチケットを入れてしまったのでしょうか。

 

先ほど入場した際の切符がどこかにいってしまったようです。

 

少し困っていると、後ろから来た大きなヘッドフォンを首に下げた若者が合図を送ってくれました。

 

どうやら私の姿をみて、「一緒に通れよ」

と伝えてくれているようです。

 

大きな荷物を持っていた私でしたが、彼の後ろにくっついていきます。

 

とっさにドアを抑えてくれる彼の手の助けもあり、ドアを通過することができました。

 

35年前、まだ幼い私は両親に連れられパリを旅していました。

その時、後ろから来たパリ人が私と一緒に改札を出たのに驚いた記憶がよみがえりました。

 

さり気ない彼の親切にパリの心を見たようでした。

 

改札を出てからしばらくすると、ポケットから切符が出てきました。

 

でも、この小さな出会いがあり、うれしかったです。

「ポケットの切符よ、隠れていてくれて、ありがとう。」

 

昨夜確認していた通り、ロンドン行きのユーロスターは時間通り、無事に出発。

 

週末午後5時30分の電車、ストで本数も少ないということもあり、席は満席。

ビールを飲んだら、もう眠りについていました。

 

キングスクロス駅に到着です。

たくさんの人々と共に駅のゲートを出てくると、その場で子供や恋人を抱きしめる光景がいくつも見られました。

その横で、ピアノを弾くお爺さん。

 

NHKBSで駅ピアノという番組がありますが、

まさにライブの「駅ピアス」がここにはありました。

 

使い古された味わいのあるピアノ。

 

駅に設置されたこのピアノは多くの人たちの出会いと別れに曲を添えてきたのでしょう。

 

さぁ、これで明日、荷物をまとめて帰国です。

 

今回はたくさんの良き仕入れができた旅でした。

 

多くの人と物、大きな空に感謝の日々、早く日本に帰ろう―――。


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