7月1日まで開催されている損保ジャパン日本興亜美術館で開催されているターナー展に行ってきました。
新宿西口にある損保ジャパン日本興亜ビル42階にある美術館で、専用のエレベーターで昇ると新宿の街が一望できる景色が広がっています。
新宿駅や伊勢丹のマーク、新宿御苑などが上からいつもとは違う姿で見て楽しむことができます。
海外の美術館と違い、撮影はできないので、その様子は画像ではお伝え出来ないのが残念ですが、イギリスやヨーロッパを旅することが好きな方にはお勧めできると美術展です。
京都ではすでに開催されており、この後は郡山で7月7日から9月9日まで開催されるとのことです。
イギリスを代表する画家であるジョセフ・マロード・ウィリアム・ターナー。
ロンドンのテート・ブリテン内にあるクロア・ギャラリーに常設展示されているコレクションは有名であり、私も何度か見ています。
そこで見る風景画の大作とは異なり、さまざまな作品が展示されていました。
版画や挿絵、水彩画から油絵まで、中には原画と版画を共に展示しているものなどもあり、興味深い展開です。
それらを見ていると、当時、ターナーの版画をガイドブックのように利用し、旅への想像を広げ、プランを練った人たちの気持ちが伝わって来るようです。
そう、まるで19世紀にイギリス各地をはじめ、イタリア、ドイツ、トルコ、エジプトなどを旅しているような気分にさせてくれます。
ヴェネチアのリアルト橋を描いた景色は21世紀の今も変わることのない旅の思い出を蘇らせてくれます。
ドーバー海峡を描いた作品からは、かつてイギリスからヨーロッパ大陸へと波打つ海を越えて渡っていった人々の苦労が伝わってきます。
今ではユーロスターで一寝入りしているうちに、ロンドン中心部からパリの北駅に到着してしまうのです。
改めて文明の進化の有難さを考えさせられた絵です。
その他、地中海沿岸の古代遺跡を描いた作品たち。
古代への情熱が盛り上がり、発掘がブームとなっていた19世紀。
そんな憧れの時代へのタイムスリップを経験させてくれるようです。
東京では残り僅かな日程ですが、ご覧になる価値はあるかと思います。
時空の旅を楽しんでみるのはいかがでしょうか。