ヴァン クリーフ&アーペル ハイジュエリーと日本の工芸 展へ

8月6日まで京都国立近代美術館にて開催されている ヴァン クリーフ&アーペル展に行ってきました。

 

フランスを代表するトップジュエリーメゾンであるヴァンクリーフ&アーペル。

1906年にパリのヴァンドーム広場にで創設されました。

 

1906年というとパリでは華やかな文化が花開いていたベルエポック期、イギリスでいうエドワーディアン期です。

 

ジュエリーの世界ではプラチナの登場により繊細な細工が可能となり、細やかなミル打ちやオープンワークなどの見事な作品が作られました。

 

また、富裕なパトロンが良質なジュエリーを惜しげもなく求め、それに対し伝統を受け継いだ腕の利く職人たちがまだいた時代です。

 

そうした時代の作品から始まるヴァンクリーフ&アーペルの歴史。

そしてこの展示会。

 

時代を追って、世界トップの職人たちが作り続けてきたジュエリーを堪能することができます。

 

1906年頃、1910年頃、1920年頃、1925年頃、1930年頃、1935年頃、1940年頃、1950年頃、1960年頃・・・・・

 

時代宛てクイズをするように、展示されている一つ一つの作品をまずは見て、次に表示されている製作年を確認します。

 

前後5年はありますが、凡そ私の踏んだ通りの年代に作られていました。

1912年に作られたエナメルが施されたプラチナ製の時計は、エドワーディアン期の繊細な美しさに惚れ惚れします。

 

1900年代だけでなく、1920年代頃までの作品は、ミル打ち細工の細やかさや細い透かしを多用する正確な作りに感心させられます。

 

 

1923年に作られたカリブレカットのサファイトとダイヤのピアスにはエドワーディアン期よりもすっきりとデザインであり、アールデコへと移り変っていく時代の流れを感じられます。

 

 

1924年のターバン留めのブローチにはトップジュエラーならではの惜しげもない宝石の使い方に感心させられるとともに、オリエント趣味がデザインの壁を打ち破ったことが伝わってきます。

 

1927年の極楽鳥のブローチにはプラチナワークの発展を見てとれ、その一方で伝統的な職人技も見事に受け継がれていることが分かります。

 

1937年の菊の花のクリップブローチにはミステリーセッティングが使われています。

ミステリーセッティングとは、不思議に思える画期的な技法で、つまり、石を留める爪や覆輪が見えない驚きのセッティングのことで、ヴァンクリーフ&アーペルの名を世界に轟かせたものです。

 

その他、現代までの逸品たちをほぼ時代ごとに展示されていきます。

 

先のミステリーセッティングを始め、展示されている逸品たちはその素晴らしさから、裏側も見てみたくなります。

それに応えてくれているように、この展示会では、全て立体的に飾られ、裏側からも見ることができる展示になっています。

 

展示をしてくれた方々の技術にも敬意と感謝の念を覚えます。

 

ここまで、ヴァン クリーフ&アーペルのジュエリーだけを取り上げてきましたが、この展示会はタイトルにもあるように、日本の工芸のの逸品たちを同時に展示しています。

 

明治から大正に作られた七宝や陶磁器などの傑作たちは、ジュエリーと並んでも全く見劣りすることはありません。

 

これら工芸作品だけを見るだけでも一見の価値があります。

 

まさに職人の魂を吹き込んだ作品たちです。

 

期間が後一月と限られていますが、足を運ぶ価値のある展示会だと思います。

 

尚、私は6時頃に入り、閉館の8時ぎりぎりまでおりました。

それでも時間が足りなかったくらいです。

時間に余裕を持ってお越しになることをお勧めします。

 

途中、第二展示場に製作過程のビデオを流している部屋がありますが、30分くらいはかかったと思います。

この伝統を受け継ぐ職人たちの製作過程も興味深い物でした。

 

国内のジュエリーの展示会では稀にみる見ごたえのあるものです。

 

ジュエリーや手仕事のものがお好きな方には、期間中関西を訪れた方には是非足をお運びになることをお勧めしたいです。

 

 

 

尚、7月17日まで帝国ホテルプラザではサマーセールを開催中です。当店もお得なコーナーをご用意しております。

是非、お立ち寄りください。

 

ヴァン クリーフ&アーペルのブローチも一点ございます!

 


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