そうしてゆっくりと楽しみながら登っていき、ケーブルカーの上り駅に着くと、11時を過ぎた頃でした。
駅の横には都心まで一望できるお蕎麦屋さんがあり、ここで一休み。
参道にあるお蕎麦屋で昼食をとることに決めていたので、ここでは軽いものをご馳走になることにします。
ラムネやレトロな瓶に入ったオレンジジュースやコーラで喉を潤します。
子供の頃何かの行事で親戚が集まった際などに寿司屋さんやウナギ屋さんなどでたまに飲ましてもらったあの懐かしの瓶に入ったジュースです。
しかし、シリアで出会った私たちの会話は、ここで
「中東で飲んだあの味を思い出しますね。」
「ああ、あの炭酸が弱く甘いけれど薄いようなあの味、体に浸み込むようなあの味ね。」
「そうそう、懐かしいよね、あの頃、1リットルのペットボトルが10円くらいなのに、コーラやジュースはこれと同じくらいの瓶で20円くらいしたよなぁー」
「高いと40円くらいでしたよ。」
などと、つい二人の世界にタイムスリップしてしまいました。
一緒に焼き団子やところてんもいただき、体力復活です。
山々から流れる清々しい風に癒され、皆元気を取り戻しました。
ここから、高尾山に祭られている神社へとお参りしながら行けるルートを選びます。
少し歩くと、こんにゃくや胡瓜を売る屋台があり、先ほど団子を食べたばかりの娘達はここでもこんにゃくと胡瓜にかじり付いていました。
オジサンたちはペットボトルのお水でまた一休み。
高尾山は山登りだけではなく、いろいろなことが楽しめる驚きの山です。
大自然から美味しい食事や屋台、右を見上げればビアガーデン、先をみれば、八王子ラーメン、
もっと進めば天狗様が祭られている神社まで。
もう満載です。
神社に近づくと、聞き覚えのある声が、
そう北島三郎です。
こちらに多額の寄進をしているそうで、
サブちゃんの演歌が流れているそうです。
演歌に迎えられ、中に入ると、天狗の杖を持つことができるものや様々なものがあり、
人々で賑わっています。
友人の娘さんが御朱印帳を持っていたので、娘も今回初めて作ってみることにしました。
まさか山登りに来てこんな立派な神社に遭遇するとは思っていませんでした。
お参りを済ませた後、さらに山頂へと向かっていきます。
もうこの辺りからは様々なルートが合流し、人の流れも大きくなっています。
額に気持ち良い汗をかきながら、とうとう山頂に到着。
まるで、花火観戦の公園や河原のように人が溢れています。
それでも運よく人々の喧騒を背にし、山々を眺められるスポットに腰を下ろすことができました。
友人の膨らんだリュックには何が入っているのか不思議でしたが、
そのリュックからドラえもんのポケットのように様々なお菓子が出てきます。
普段お菓子をあまり口にしない私も子供達ともにいただくと、これがまた疲れた体には塩分と甘さが美味しいです。
見晴らしの良い風景の先には、東京の都心もかすかに目にすることができます。
こんな近くに体も心もリラックスできる場所があったのですね。