パリの朝。
もうすっかり、冬の空気です。
北駅近くの宿を出ると、通りには人々が仕事や学校へ向かうため、速足で歩いています。
それでも、空が高くきれいです。
遠くの空が朝焼けで薄いピンクに染まっています。
お目当てのフェアが中止になってしまった今回、いつも購入するディーラーに事前にアポイントを取っておきました。
クリニャンクールのそのお店に向かいます。
駅を降りると、いつも行く、週末とはマーケットまでの道の風景が異なります。
路上の怪しげな物売りの姿や露店もありません。
ただ普通のパリ郊外の街並みがそこにはありました。
紅葉した街路樹の葉が空に舞い、秋から冬へと移り変わる季節にいることを感じます。
少し歩くとマーケットに到着。
まだどこの通りも閑散としています。
赤いマットの上を、学校へと向かう親子連れとすれ違います。
日本にもこんな通りがあれば、いいのになぁ。
と、
また子供たちは素敵な通りを歩き、いつも通学しているのだと不思議な世界観をそこに感じます。
お店に約束の時間に到着したのですが、やっぱり来ていません。
電話をすると、後、一時間後に着くからと。
流石です。もう慣れていますので、あまり気にせずに、ぶらっとマーケットを歩いてみることにします。
クリニャンクールは通常、土曜日、日曜日、月曜日に開いているマーケットのため、やはり金曜日は開いている店も少ないです。
翌日に備え、荷物の搬入などをしている店が開いていたりもしますが、全体の10分の1くらいしか開いていないといった感じでしょうか。
それでも、初出しを探しに、来ているディーラーたちがちらほらいます。
アポイントを取っておいて良かったです。
1時間後には次のアポイントを入れておいたので、その店に先に向かいます。
このフランス語しか全く話さなせない店主と、私の片言のフランス語で、いつも何とか交渉します。
それでも国や言葉、歳は違えど、美しい物を解る物には共通の感覚があります。
周囲の店が皆シャッターが下ろされている中、一軒開けてもらったこの店から結局いつもの3倍くらい買ってしまいました。
次に、先ほど1時間後に来てくれると話していた工芸品のお店に向かいます。
彼らもまた、私の片言のフランス語と変わらないくらい、ほとんど英語は話せないため、身振り手振りに、握手に抱擁で、いつも意思疎通。
それでも、数年前に連れてきた娘や母のことも覚えていてくれて、うれしく思います。
わざわざ金曜日に来てくれたのもあり、持っていたユーロの現金ほとんどをここで使い果たし、たくさん購入。
持って帰るのが大変です。
梱包を任せると危険なので、私も一緒に丁寧に梱包します。
また来年会う約束をし、最後は早くも「メリークリスマス」と別れの挨拶を交わし、店を後にしました。
朝早くに朝食を採っていたため、お腹も空いてきたので、行きつけのレストランで食事でもしていきましょう。
昨夜のステーキとフォグラでお肉はいっぱいの気分だったので、エビを頼んでみました。
エビとトマトのパスタ添えといったところでしょうか。
一見エビは二匹しか入っていないように見えたのですが、大きなエビが六匹入っており、食べ終わるとお腹がはち切れそうでした。
一緒に頼んだフレッシュレモンジュースの酸っぱさで口をすっきりとさせ、気分を新たにロンドンに向かいましょう。