リスボンの街の骨董屋をもう一軒。
広場に再び戻っていく手前にしっかりとした店構えのアンティークジュエリーショップを発見。
ウィンドゥに飾られている品々を見ると、これまでみてきたジュエリーやアクセサリーとは全く異なります。
そのしっかりとし正確で細密なつくりはまさにアンティークジュエリー。
いつも見慣れたあの魅力的な輝きです。
こうして比べるとやはり昨夜目にしたジュエリーたちはリプロダクションであったのだと、確信しました。
しかし!また、このショップが高い。
私が東京でつけている定価よりもかなり高い。
いくら値切ってもとても商売になる価格ではありませんでした。
物が減ってきている時代、これだけ良い物を集めようとするならば、高く出さなければ集まらないのでしょう。
安い物には安い理由がある。
高い物には高い理由がある。
改めて、思わせてくれるお店でした。
少し進むと老舗のお菓子と紅茶のお店がありました。
中に入ると、私が下げていた先ほど購入したたくさんの紅茶の袋が目に入ったのか、
試食を進められ、オルゴールまでかけてくれます。
悪いので紅茶を少し買うとさらに、試食には用意されていないお菓子までサービスで勧めてくれました。
美味しい!
楽器や動物など様々な形をしたモナカの中にカスタードが入っているお菓子です。
申し訳ないのでこれも購入。
賞味期限が8日間ということなので、急いで日本に帰ったら食べなければなりません。
この後、荷物をホテルに一度置きに帰り、今夜は日本から予約しておいた星付きレストランに向かいます。
7時ちょうどに到着。
ちょうど開店したところでしょうか。
眺めの良いゆったりとした席に通されました。
折角来たので、品数の多いコースとワインをペアリングし、注文しました。
まず運ばれてきたのは台座が膨らんだ変わった形のグラスに入ったセロリと青リングのジュース。
毎朝飲みたくなります。
次にポルトガルのスパークリングをいただきます。
味はさっぱりとし余韻の深みは少なく辛口軽快なものですが、発砲は非常にきめ細やかでシャンパンに通じるものがあります。
その後、アミューズ。
アスパラの白身魚巻き、(なぜか日本庭園でも意識したのか?黒い石の上に載っています)
スモークした肉に豆。(これは口の中で溶けて、最高級の和牛を食べているようでした)
エビの上げ春巻き(現在のフレンチの流行である、和食、中華など異文化の料理の取り入れか、しかし上品でうまいです。)
前菜は、だし汁(だしスープとよんでいました)に入ったマグロのユッケに大根(大根もダイコンと呼んでいました。)
早くも日本に帰って割烹料理にでもいったようです。
ですが、他の欧米諸国のフレンチが日本料理をアレンジしているのと違い、マグロ自体が非常に美味しいので、このお皿はポルトガルだからこそと呼べる品でした。
次はイカ!
お寿司で包丁を入れてもらったように表面が刻まれており、中は柔らかく外はあたたかくバターソースとのシンプルな味付けと火加減のバランスが絶品。
お皿も面白い。
次に、海老!
料理をする前に運ばれてきた海老は、生の状態でもおめでたいくらいに真っ赤な海老。
もちろん、料理され出てきた海老も真っ赤でした!
青いガラスの皿に浮かぶ姿がこの国の海のようで美しいです。
ソースは海老の頭をすりつぶした物。
次に赤身魚のソテーと軽く火を通した後に冷やされた牡蠣。
焼き野菜を固めた上に、柔らかなポークが乗せられて登場。
そろそろお腹もお酒も一杯になってきました。
しかし、ここで黒トリフ山盛りのステーキができました。
再び、口と胃が絶好調となり、美味しくいただきました。
最後にデザートが三種+その他。
さらに勧められるがままにポート酒2杯。
満腹です。
次回は、もう二皿少ない方を選ぶかなぁと思いながらも、全て食べられたのはポーションがフランスやイギリスに比べ少ないからでしょう。
日本でのフレンチのポーションに比べ、
他の国では日本の2倍は出てきているのではと感じることも多いのに対し、ここは1.2倍くらいの量でした。
ペアリングしてもらったワインはどれもポルトガル産のワイン。
白には膨らみに物足りなさがありましたが、ムルソーのような香りがあり、作り手の丁寧さを感じました。
日本では手に入りにくい白の辛口ポルトーも楽しめた一杯でした。
ご馳走様でした。
料金もタクシー代同様良心的で、
同様の星付きレストランでいただく場合、ロンドンの半分ほど、東京の3分の2くらいでした。
こうして美味しい物を食べれることに感謝。
ポルトガルに感謝、
海に感謝、
農家やワインの作り手に感謝、
レストランスタッフ一同に感謝。
そして何より、こうしてこの地まで来れるのは
お客様のお陰。
深く感謝。
明日は今回の旅のメイン、グルベンキアン美術館に行ってきます!