おっ、
見覚えのある顔。
あちらも私の顔を見てすぐにわかったようです。
英語とフランス語の混ざる変な会話の中、再会を喜びます。
『娘や母は元気にしている?』
と尋ねられ、よく私の事を覚えてくれていたようで嬉しいです。
早速外から覗いていたペンダントを手に取り見せてもらいます。
まずは、値段を聴くと、一つ前から残っていた物はやはり高かったです。
その他の物は交渉の範囲であったので、7つをルーペを使い確認していきます。
しかし残念ながら三個は小さな欠けがあり、修理も難しいのでなくなく諦めます。
傷のない4点は皆買うから安くしてください。
というと、先程よりも少し安い値段を出してきました。
それで、思い切ってキリの良い数字を提示すると、
『キャッシュか?』
と聞いてきました。
前回も同様のやり取りをし、お金を引き出しに行ったのを覚えていました。
そのため、今回は現金をこの店のために取っておいたのです。
そこで、
『もちろん!』
と返すと
私の言い値になりました。
この作品は今、イギリスや日本では値が上がっています。
数年前の相場で、買い付けることができました!
ラッキー!
日本に帰ったら案内状に載せるため、撮影したくなる作品です。
これで無事目的の物は仕入れることができました。
とりあえず、お腹も空いたので近くのレストランで、本日のオススメをいただきます。
出てきたのは、サーモンのムニエル。
またもや南瓜のソースですが、これまた美味。
白のブルゴーニュを合わしてもらい、満足。
フランスはイギリスに比べ食のアベレージが遥かに高く、何気無い食事も楽しくなります。
英気を養い、折角来たので、他の店も回りましょう。
クリニアンクールはいくつかの地域に分かれており、雑貨やジュエリー、家具、プリミティブアートなどが混在しています。
なるべく縦横の通りを順に歩いて行き、見落とす店がないようにしていきます。
それでも碁盤の目のようにとはいかない、配置になっているので、注意しながら回っていきます。
今回はとにかく一つ値段を尋ね、高くともめげずに尋ねるを課題としています。
そのため、とりあえずジュエリーを置いているところを順に聞いていきます。
日本のジュエリーショップと違い、店によっては、ガラスケースの中がごちゃごちゃに積み重なるようになっているところもあります。
しかし、汚いからといって安いわけではありません。
掘り出し物のような値段が付いている訳ではなく、しっかりした値を提示してきます。
うむー買えん…。
それでも、根気よく回るうちに素晴らしいアポロンのストーンカメオとアール・デコのプラチナワークの見事なブローチなどを手に入れることができました。