今回、パリに来たもう一つの理由。
それは藤田嗣治の没後50年記念の回顧展を見に行くことです。
朝のBSワールドニュースで何か月か前に取り上げられていたのを目にし、今回是非訪れたいと思っていました。
3月7日に始まり7月15日まで開催しています。
残り僅かな開催ですが、パリに行かれる計画がある方は、訪れる価値はあると思います。
クリニャンクールからグーグルマップを使いマイヨール美術館までの道のりを調べます。
本当に便利になりました。
地下鉄で乗り換えなく一本で行けそうです。
予定はタイトです。
17時30分のユーロスターでロンドンに戻らなければなりまりません。
途中お昼を取ろうかとも思ったのですが、どのくらいの時間を鑑賞にかかるか分からないため、美術館に直行しましょう。
14時過ぎにマイヨール美術館に到着。
日曜日ですが、思ったほどは混雑していません。
二、三人ほど待つだけでチケットも購入できました。
程よい大きさの美術館。
千代田区にある三菱一号館美術館と同じくらいのスペースかと思います。
期間限定の催しということもあり、海外の美術館としては人が多いですが、上野などで開かれる有名美術展覧会に比べればはるかに見やすいです。
それでも、多くのフランス人が訪れており、藤田に対する評価がここフランスでも高いのが伺えます。
皆、熱心に鑑賞しています。
今回の展示作品のいくつかは日本にも運ばれるようですが、ここでしか見られない作品も多いとのことです。
ゆっくりと絵の中の人物たちと対峙にしていきます。
私も藤田の肉筆画を扱ったことがあり、そのタッチを日頃から目にしてきました。
それは晩年の作で優しさが漂うものでした。
今回の展示では時代を追った展示になっていることもあり、作品の変化が伝わってきます。
幼少の頃に描いた「船と海」の絵から
十代の作品、
パリに移り住んだ直後の風景画、
あの独特の目力があるエコール・ド・パリ時代の女性たち。
はたまは日本画の屏風。
巨大な大作。
マルケトリーの家具まで...
普段、日本ではなかなか出会う機会もない、幅広い作品たちに圧倒されました。
(アール・デコのネグリジェのネックレスをしていますね。)
例えば、「ちいさな仏陀」。
この作品の持つ世界観。それは藤田の空間なのでしょう。
これからこの少年が成長し仏陀へとなっていく物語が続いていくことが頭の中で膨らんでいきます。
遥か昔にパリへ一人乗り込み、パリで描き、遊び、表現し、成功した天才に改めて尊敬の念を抱きました。
贅沢な時間を過ごさせていただきました。
2018年7月20日
PASS:
藤田嗣治展をそちらまで見に行かれるなんて羨ましい限りです。
私は今月末から東京で開かれる藤田嗣治展を見に行く予定です。
国立西洋美術館が所属している嗣治の緊迫をふんだんにあしらった絵は圧巻でございました。
また訪問させていただきます。
Yuko
2020年6月1日
藤田の絵は本当に心和むものがありますね。
私も1枚だけ持っておりますがかなり晩年の作品ですが見ていると心癒されます。
今はしばらくパリを始め海外に行けませんがまた再開したらあちらの何か展覧会をこの日記にて紹介したいと思います。